119章 2.あきてしまう事が問題なのだ

1-役者のまなざし・その7

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演技の稽古の1番の落とし穴は

「繰り返してしまう事」

だと言っても過言ではないのです。

スタニスラフスキーは優秀な役者達に
常にこの点を指摘し、充分注意するように強く教えました。

しかし、皆さんが養成所で台本を貰い、セリフを覚えて、
繰り返し練習すると・・・

「すぐにあきてしまいませんか?」

・・・・ここが問題なのです。

「演技の稽古は、繰り返す事が重要ではない」

のです。

その感情の熱を、感覚を、新鮮に表現する事
が求められるのです。

しかし、その為にメソードなどの再刺激を使うのは最悪です。

これだけは絶対に止めてください。

そうではなく常に

「新しい時間の中で役のエッセンスを生きる」

このポイントを意識してみてください。

演技は本質から大きく変化するでしょう。

ただの繰り返しはパターン化を生み出してしまいます。

一方、本当のエッセンスを生きる稽古にはあきがきません。

その稽古を極めていくと

「超パターン化」

そんな強力なキャラとシーンが生まれて来るのです。

これは演技の大変面白い点なのです。

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繰り返すのではなく、新しい時間の中で・・・!
役のエッセンスを生きる稽古を!!