106章 4-絶望よりも恐ろしい事があるのだ!

4-絶望よりも恐ろしい事があるのだ!

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「どんな人間も、希望さえあれば生きていけるのです」

これは、ある紡績会社の社長さんの言葉ですが、
私も、本当にその通りだと思うのです。

人間には、その深い部分に何らかの希望さえあれば、
その希望を頼りに生きていく事が出来るのだと思います。

しかし、芸事の世界に生きていると、

「絶望より深い苦しみにはまっている人」

を、実は割合良く見かけるのです。

それは、

「浮かれて、地に足がついていない人」

の事です。

これだけは、なっちゃったらもうおしまいです。

それはもう人間の醜さの全てが身体から噴出しています。

この醜悪なエネルギーが、自分を堕落させ、人の痛みが解らなくなり、
他人を何処まででも不愉快にします。

その結果、
浮かれてしまうと、芸は浮き、相手に伝わらなくなり、
自分の再刺激的な反応だけが、不愉快に相手に伝わるようになるのです。

その結果、その場の空間そのものまでが浮ついたものになり、
もう、何処にも美のない、醜悪だけが蔓延した空間になってしまうのです。

そして 、一旦そうなってしまうと、もう本人に何を言っても入らず、
その人は地獄まっしぐらなのです。

それほど

「天は浮かれて勘違いした人間を嫌うのです」

では、逆に天は、どんな人物を好むのか?

それにも明確な答えがあります。それは、

「いつも芸事を心から楽しみ味わいながら、その上で淡々としている人」

このタイプの人は、いつも、いつも、楽しそうで、
実際、自他共に楽しんでおり、そして静かなのです。

これが、芸事の世界を生き抜いて行く、芸人の呼吸の真骨頂の様です。

そんな達人を 私は知っていますが、それはとてもまね出来るものではありません。

だから、せめてもの修行として、いつも誠実に稽古に打ち込み、
その上で淡々としている人になりたいのです。

「決して浮かれないように常に気をつけて生きている事」

これだけはしっかりと自覚して、生きていたいものですね。

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芸事をと楽しみつつ、その上で浮かれない・・・
常に気をつけるようにしたいです(^_^)!!