フルCG映画の吹き替えに行って来ました!
大御所の声優さんが多数参加されている現場だったのですが、
皆さんマイク前での姿勢が本当に素晴らしかった!
役者、声優にとって「姿勢が大事」だと言う人は本当に沢山いらっしゃると思うのですが、では“姿勢とは何か”を本当の意味で説明してくれる人は殆どいないように思います。
私の実感は、アニメの現場でのベテラン声優さんの「マイク前での立ち姿」です。
普通“マイク前での良い姿勢”というと、「背筋を伸ばして」とか、「マイクに真っすぐ向かって」とか、「近づきすぎず離れすぎない距離で……」などなど、特に養成所などではそのように教えられるのではと思います。
ですが。驚くべきことにベテランの皆さんは、本当に、本当に全く“姿勢”が違うのです!
ある超大御所の声優さんなどは“マイクに対して斜めに”立っていました!!
セリフを張り上げる時、“大きく身体を反らせて”全身のバネを使って迫力を表現していたのです。
また、あるベテランの方は、マイク前でスクワットをしているのかと錯覚するほど上下に身体を動かして、アニメの絵に負けないダイナミックさを表現していました。
「あんなにマイクから離れて本当に声が入るのだろうか……?」と不安になるほどでしたが、オンエアされたものを聴くと、他の誰よりもテレビ画面から声がこちらに突き刺さるように飛んでくる迫力がありました。
また、ある国民的アニメに出演されている女性声優さんは全くの逆。
マイク前に立ったら、そこから一切微動だにせず、凛とした立ち姿の中で内側の感情だけが爆発しているように演技をなさっていました。
APHでは「姿勢」とは“姿の勢い”であるということを強く提示されますが、現場の第一線で活躍されている方々のスタイルがこれほどまでに違うと、「姿勢」というものがマニュアルで説明できるようなものでは無い事を本当に痛感します。
諸先輩方の背中を見るだけでも、皆それぞれ自分が一番ノッて演じられる“姿勢”がまるで違います。
実際に他人に対してそれを試し続けることでしか、本当に自分にベストの姿勢は見つけられないものだと感じます。
自分の姿勢には本当に勢いが乗っているのか。
現場の光景を焼き付け、APHで試行錯誤をし、また次の現場でマイクに立つその瞬間に臨みたいと強く思いました。