今日はボイスオーバーです。
かなり苦戦しました。
今までもボイスオーバーはやってきました。
普通の吹き替えに比べてセリフの尺も緩めで、
ディレクターさんによっては芝居も自由度が高い印象でした。
今回は全く違う方向でした。
ボイスオーバーは、芝居をしている役者に声を当てる吹き替えと違って
「一般人」
に声を当てます。
何かの専門家だったり通行人だったり、
その番組に関係する人にインタビューしたり作業の様子を撮影している所に当てるのです。
なので喋っている時に妙に間が空いたり、
言い直したり、話が変わったりと芝居のセリフでは基本的にないことがたくさん起こるのです。
正確に喋っている内容を日本語にするのではなく、
なので翻訳で大まかな内容をまとめたものを日本語で当てることがあるのです。
そうすると
喋ってる口元の動きと台本のセリフが合わないことがあるのです。
今回の現場では、間や口の動きは気にせず
とにかく日本語として矛盾や誤解のない区切り方で喋ることが要求されました。
結果的にこれには対応できました。
しかし、喋りが止まったりする「間」に引っ張られてぎこちなくなってしまいました。
クセになっていたのです。
セッションで体の使い方やセリフのクセは実感してきていましたが、
吹き替えの当て方のクセがあるのは全く意識していませんでした。
さらに、セリフのクセ自体も指摘されました。
「~と・が・に」
と言った助詞という所で、息を抜いて伸ばすクセです。
このクセ、吹き替えをする役者はかなり多くの人がやっています。
自然とそうなったり尺合わせでやったりけっこうあるんです。
これもクセになっていて言われるまでほとんど意識していませんでした。
海外ドラマの吹き替えでコレを指摘される事は基本ありません。
会話やシーンの雰囲気、芝居が合っていれば問題はないのです。
しかし今回は専門家が説明をする内容だったので、
ドラマよりナレーション寄りの内容だったのでしっかりと日本語として
説明をする事を求められたのです。
技術です。
今回指摘されたのは割とすぐに変えられる所だったので最終的に対応はできましが、
直すのに時間がかかってしまった。
大きな反省点でした。
改めて技術の大切さを感じさせられた現場でした。