サクサクが現場の勲章

地上波バラエティ番組の再現ドラマのお仕事でした。

この番組の案件はいつもであれば「書類選考のみ」が殆どなのですが、
今回はオーディションがありました。

難病と闘う少年の母親の役で、
病状の厳しいシーンが多く「泣きの芝居」を求められました。
ここはしっかりと、丁寧で分かり易い芝居を置いてきました。

最終候補の一人に残して頂いていたのですが、
追加スケジュールが私のNGの日と重なってしまい
母親役には選ばれませんでした。

が、撮影日数の少ない、
脇の看護師の役をやらせて頂くことになりました。

撮影当日、私は6シーン程撮り、台詞もいくつかありました。
全体的にサクサクと、殆ど1テイクでOK。

あまりすんなりいってしまうと却って
「これで良いんだろうか・・・」と不安になったりもするのですが、
現場は時間との闘い。

サクサクは大事な事なんですよね。

後でAPHの代表から
「現場で褒められることはない。サクサクが現場の勲章。」
というお言葉を頂き、やるべきことはやれたんだなと、
自分を認めてあげることが出来ました。

実はこの撮影の少し前に
APHの演技クラスの中で私のある「クセ」を代表に指摘され、
どうすると良いかディレクションを頂いたのですが、
まさにそれを意識して集中してやって、
その結果のサクサクでもあったと思います。

ただ、今回は看護師の役という事で、
初めての医療ものの芝居に苦労しました。

注射器で点滴に薬を注入するという芝居があり、
医療コーディネーターの方がやり方を教えて下さるものの、
見ているだけで練習する時間は無し。

ものすごく不安なままの本番・・・。

正直上手くいったとは言えません。
自信のない、戸惑った、小さな動きになってしまいました。

引きの画で殆ど映ってはいないのですが、
それでも上手くいってないものはいってないんですよね・・・。

後で反省したのですが、
もっと開き直ってやれば良かったのです。

「本物」ではないのだから出来なくて当たり前。
それを「どうだ!!!」とやってしまえばよかったのです。

あ~悔しい!

また、「フレームの中にどう入っているか」とか、
「今私は入っているのか?いないのか?」ということを気にしすぎてもダメだ
という事も学びました。

とにかくいつも全力で芝居をする!!
これに勝るものはないですね。

まだまだ課題はありますが、
APHで取り組んでいる技術を現場に持ち込みながら、
どんどん磨いていきたいと思います。