企業CM、自分の創造がディレクターのイメージと一致!!

某金融系の企業CMのお仕事でした。

CMの場合、オーディションに行ってその場で画コンテを見て、
初めてその内容を知るということが多く、
事前にどのようなものを作りたいのかといった情報がないことが多いのですが、
今回はオーディション前日の夜に「農家」という設定のみを頂くことが出来ました。

私は外的要因から役にアプローチするのが好きです。

外側を創りながら、中の感覚に向かっていくのです。

今回、一言で「農家」と言ってもどんな農家なのか・・・時間のない中で、今あるもの、
すぐに用意出来るものから工夫をしてその役に向かっていきました。

自分の身体的特徴やキャラクターから考えて、いわゆる田舎らしい、
オバチャンらしい農家像は私には合わないと判断しました 。
(年齢はそれなりですけどね 笑)
そして、私が農家ならどうするか・・・というところからアプローチし、
イメージし、衣装や小道具などを用意してオーディションに臨みました。

オーディション会場では予測していたように、
私よりずっと田舎っぽかったりオバチャンっぽいのが似合う方もいらっしゃり、
そこでは勝負できないのは明らかでした。

私は私の創造した「私の”農家のお母さん”」をその空間に置いてきました。

そうして頂いたのが、今回のお仕事でした!

撮影前日、移動車の中で、ヘアメイクさんとスタイリストさんが
今回の農家のお母さん役(私の頂いた役)のイメージについて打合せしているのを
たまたま耳にしました。
そこでの会話は
「今回、ディレクターは(先ずイメージするような)いわゆる『農家』という感じではなく、
少しオシャレで、有機栽培等などに拘っていて、以前は東京で仕事していたことも
あったりして、今でも時々都会に遊びに来たり、出店したりしていて・・・」
と、なんと!私が創造していた農家像とピッタリ一致していたのです!

この作品、この役に対して、ディレクターの創造したいと思っていたこととピタリと合う事が出来ていたなんて、嬉しい限りでした。

撮影は早朝からのロケでしたが、
APHで学んで稽古している台詞のあるポイントを入れながら臨み、
ピタっと納めて来ることが出来たと思います。

今回、このお仕事をいただけたのは、
「役の創造を完全に楽しんでいた」
というところが大きかったと思います。

いかに楽しめるか・・・コレ、大事ですね!

楽しみながら、どんどん現場を増やして行きたいと思います。