あの時、手紙を送っていて本当に良かった

今の事務所は、自分にとって三つ目の所属事務所です。

前の事務所は考え方の違いで退所しました。
その前、自分にとって初めての事務所は
自分のバカな失敗で迷惑をかけ首になりました。

先日、一つのレギュラーが終わりました。
共演者には、自分が首になった事務所の方もいました。
現在はそこのマネージャーさんとも普通に話すことができ、季節の挨拶なども送っています。

この作品で自分はかなりいい役で参加させてもらっていましたが、
会ったこともないディレクターMさんの仕事になぜ自分がこんな良い役でキャスティングされたのか?
全くわかりませんでした。
それが最終回直前にそのディレクターMさんと飲んでいる時、知る事ができました。

自分にとって初めての事務所、
自分が首になった事務所のマネージャーSさんが
「面白いヤツがいる」
と、自分を推薦してくれたからでした。

この作品のキャスティングをしていた時期は、
自分が首になってから十年以上経ち、
今の事務所にいた頃だと思います。

APHに入ってからは8年目くらいでしょうか。

この二つ目の事務所に入る際、
APH代表に相談させて頂きながら
最初の事務所に手紙を送りました。

「これは業界に戻るために絶対に外してはいけない筋だ」
と代表に言われ、ビビりながら必死になって書きました。
かなり不安定な精神状態で、
今思い出すと恥ずかしい限りです。

この事の重要性を自分は全く理解していませんでした。
今もまだそうだと思います。

しかしキャスティングの事をディレクターから聞いた時、
あの時の手紙がなかったら首になった時の悪い関係性を引きずったままだったろうと思います。

まさか首になった事務所のマネージャーが自分を推薦してくれるとは、
夢にも思っていませんでした。
正直あり得ない。

最終回後の打ち上げで、自分を推薦してくれたマネージャーSさんに話しかけ
感謝を伝え、なぜ自分を推してくれたのか、思い切って聞いてみました。

「良いと思ったから」
と、拍子抜けするくらいあっさり言われました。
自分は頭を下げてお礼を言う事しかできませんでした。
その後Sさんは明日が早いとさっさと帰って行きました。

あの時、手紙を送った後、
その事務所の方々との関係性がとても良くなって行きました。

現場で会って挨拶をすれば、自分を知っているその事務所の先輩は
「久しぶり」
と、ニヤリと笑いながら当時と同じように話してくださいました。

自分を知らない方も、自分について何かを言われた様子もなく普通に話ができました。

そしてあのマネージャーSさんとも気軽に挨拶して世間話ができるようになっていました。

本当に、文字通り、有難い事でした。
感謝しかありませんでした。

二つ目の事務所に入る時、
今の事務所に入る時、
そしてこの作品のキャスティング。

自分の人生の重要なポイントでいつも、
APHで教わった技術と代表のアドバイスがありました。
結果、奇跡のような事が起こり良い方向に変化する事ができました。

有難うございます。

APHという団体に入れた事を改めて、有難いと思いました。
ここに誘ってくれたTさんに感謝。
そして改めて代表に感謝です。
本当に有難うございます。