外画三本録り、長時間の録りで意識したこと。

最近の外画は二本、三本録りが当たり前にあります。

自分もようやくセリフの量が増えてきて嬉しい反面
三本録りになると後半かなりきつくなってきます。

朝10時から始まり早くて20時、遅ければ22時までの収録で
主人公を演じる方は全体の半分以上しゃべっていたりで
舌が回らなくなったりしてきます。

こうなると流れが途切れるのが一番消耗するので
自分が噛んでしまう わけにはいきません。
後半、疲れがピークになっているとはいえ一番神経を使うところでです。

しかしセリフが滑る滑る。
肩がガチガチに固まり、背中が張ってきています。
自分の無駄な力が入ってりる所を痛感しつつ何とかしなければと焦りも出ます。

ここでセリフの頭を意識する事が大きな助けになりました。
要所で意識することによってセリフが滑るのを防いでくれる。
そして自分のセリフのリズムも立て直し、支えてもらっている感じでした。

特に自分が助かったのが、相手の長セリフにはさむ合いの手のセリフです。

声優は別録りができるので最悪そこだけ直すことができます。
が、やはり掛け合いでいい芝居がしたい。
良いリズムでシーンを作りたい。

相手のセリフを受ける自分のセリフの頭を意識して拾い、それをまた相手に返す。
これは今までかなりしんどい部分でしたが、この意識だけで激変しました。

そして足指。
これも大きかった。

緊張、疲労でぐらつく下半身。
支えが揺らぐと声も揺らぎ焦りが倍増します。
ここで足指を靴の中でガッと使う。
これによって下半身が安定し、腰回りの余計な力が抜け
ラストまで踏ん張りました。

こうやって、しんどい、厳しい、と言いつつも教わった技術で乗り越えながら、
毎回この収録ブースの中が自分の居場所だと感じます。

以前はブースは特別な場所、仕事の日は特別な日でした。
それは今でも変わらないのですが、その特別が当たり前になってきたと感じ、それを自分でも当たり前にしようと考えています。

現場で、流れを壊すようでは段階を上がれないというプレッシャー感じ、
そして楽しいと感じて、
主演から「主人公」を演じるために、
またセッションに臨みたいと思います。