一人収録のメリットデメリット?ドキュメンタリー吹替のお仕事!

緊急事態宣言が出てから吹き替えの収録が基本的に全て延期になりました。

そしてようやく少しずつ再開し始めています。

しかし完全に一人ずつ収録する事になったのでスケジュールを再調整してまた延期。
厳しい状況です。

今日の収録も一人ずつ。
しかもシーズン1第1話。
他の人の芝居が全くわかりません。
全くの未知の領域です。

スタジオには入り時間の直前に入り極力他の人と接触しないようにします。
自分がスタジオに入るとスタッフさん以外には誰もいない。
収録ブースは完全に自分一人でした。

収録が始まりました。

テストでは前に録った人の分を流してくるたので本当に助かりました。
それに合わせて芝居をします。

ドキュメンタリーのボイスオーバーで、
内容もわかりやすく芝居で迷う事はありませんでした。
自粛直前の一人ずつの収録もそうでしたが、
共演者と会話をすると言うより、
ディレクターと会話をしているような気分になりました。

共演者と一緒に収録すると自分が出ていないシーンも見ながら流れに沿って芝居をします。
しかし一人で収録すると、
自分の出ていないシーンは全て飛ばしてしまうのです。
そのため物語が急に飛んだような、
唐突な感覚がありました。

顔出しの場合はどのシーンから撮影するかはその時々で違うので、
これは当たり前の感覚なのではないかと思います。

しかし基本的に声優は映像を頭から流してそれに芝居を当てていくので
シーンを飛ばす事はまずありません。
抜き録りやリテイクくらいです。
舞台も同じだと思います。

このシーンをワープする感覚が慣れない。
新しい感覚でした。

個人的な課題である姿勢を試すには一人での収録はむしろやり易いと感じます。
ある意味自分の事に集中できる。

相手を無視するのではなく、
自分の返し方に意識をもっていく感じでしょうか。
そしてディレクターとそれについて確認する。
このディレクターとのやり取りが多人数で収録する時より濃くなったのです。

この点はとてもやり易かった。
今まではOKなら特に何も言われない事はザラです。
一人一人全てにやっていたら時間がかかるからです。
しかし一人だと「今の感じで」「良いですね」と
今まで滅多に言われない事を言ってもらえました。
今回は特に収録がかなり巻いていたので余計でした。

状況的にミキサールームに顔を出して話をするのはちょっとできないので、
ディレクターと収録中にたくさんコミュニケーションを取れるのは良かった。

ここは苦手な部分だったのでこれからも濃くしていこうと思います。