今回はボイスオーバーです。
世界各国の子供を主役に、
その国の風土や問題をドラマ仕立てで紹介する映像でした。
思わぬ苦戦をしました。
この作品のディレクターはたまに呼んでくれる方なのですが、
芝居のさじ加減にかなり苦戦しました。
このディレクターは、もともとシリアスで
感情の起伏の少ない作品を多く担当される方です。
今回も詳細なディレクションが入ると思っていましたが
想像以上でした。
自分は近所のおじさん役だったのですが、
主人公の所に訃報を知らせにくる役回りでした。
声を当てる役の表情がとても豊かで、
セリフもかなり感情的に聞こえました。
とは言えやり過ぎないようにやった、つもりでした。
「もっと抑えて」
あれ?まだやり過ぎかな?
もう一度やったところ
「まだやり過ぎ」
え?もっと抑える?
自分の感覚ではほとんど棒読みのような感覚でした。
ここでようやくOKが出ました。
なかなか神経を使い、大きく息を吐きました。
今回は全く芝居に見えないくらいの表情を求められたようです。
他の共演者もこの調整にかなり苦戦していました。
このドラマが子供向けであるという事、
内容もとてもシンプルで一般的に面白いものではない事、
この辺りの意識があり、自分の思った以上に
表現を大きくしてしまっていたようです。
ディレクターにもよりますが、
子供向けだからと大きくわかりやすい表情をする
という先入観が邪魔をしてすぐに修正できなかったのです。
何かをする時、思い込みが邪魔をする事を改めて痛感した現場でした。