現場で感じた「ブレないこと」の大切さ

今回は、ある飲食チェーンの企業VP(社内で使う映像作品)の撮影に行ってきました!

挑戦的な事をすることが好きなクライアントらしく、
「退屈になりがちな研修ビデオを、思い切りコミカルに作りたい」
と、監督が撮影前に説明してくれました。

良い例と悪い例を対比で撮っていくスタイルで、
良い例&ナビゲーターを女性のSさん、
悪い例を僕が担当しました。

早朝に都内のお店に集合し、衣装を着て、いざ撮影開始!!

まずは僕の方から、撮影が始まりました。

思いっきり遊べる内容だったので、悪ふざけになる事だけは避けつつ、
APHで学んだある技術を使ってみました!

すると、監督始め、その場にいる全員が、どっとウケました!!

「●●君!デキるね~!!」
と、監督も一気にテンションが上がりノリノリ!

「笑い過ぎて涙出てきた~。いい感じですねぇ!」
とクライアントも喜んでくれました!

…まさかこんなにウケるとは(笑)
正直自分でもビックリでした!

APHで積み上げてきた事が認められたようで、本当に嬉しかったです!

内心スベったらどうしようと思ってたので、
「良かった~。今日の撮影は楽しくできるぞ!」」
と、胸を撫で下ろしました。

しかし、安心したのも束の間。
この後、とんでもない事が待ち受けていたのです…!

今度は良い例&ナビゲーター役のSさんの番になり、
冒頭シーンの撮影が始まりました。

カメラが回り、彼女が喋り始めると、
三言程でセリフが飛び、NGがかかりました。


これは・・・マ・ズ・イ・・・。

即座にそう感じました。

緊張の為セリフが飛び、動揺した彼女はその後、
10回以上もNGを連発しました。

彼女の顔はみるみる青ざめていき、
さっきまでハイテンションだった監督の表情も、みるみる曇り始めました。

どうにもならないと感じた監督はついに、
「もうカット割っていくしかないね!」
と最終手段に出ました。

それに対しSさんはなんと、
「いや、もう一回だけやらせてください!お願いします!!」
と食い下がり、現場の空気は凍りつきました…。

「いやいや、カット割ればいいから。それでいきましょう。」
と監督はスタッフ達に言い、それから監督はSさんと一切目も合わせませんでした。

さっきまで天国だった現場は、あっという間に地獄と化しました…。

その後、カットを割ってもNGが続いた為、
結局、映像は他のものを流し、声だけを収録する形になりました。

撮影中に気持ちがブレた人の一部始終を目の当たりにし、
現場の恐ろしさを間近で味わいました。

幸い僕は、APHで鍛えた「軸」のお陰で、
彼女の影響を受けることなく、淡々と仕事をする事ができました。

その後の撮影は、はっきりと明暗が別れました。

僕のシーンは、アイデアを出し合いながら、みんなでワイワイ撮影していくのに対し、
彼女のシーンは、どこか事務的に進んでいきました。

撮影後、監督に挨拶をすると、
「今回はありがとうございました!またお願いしたいと思います!」
と嬉しい言葉を頂きました。

彼女は、魂が抜けたような顔で、
「ありがとうございました…。」
と言い、そっと帰っていきました。


現場では「気持ちのブレ」が本当に命取りとなります。

なので、現場で何が起きても、淡々とやり抜けるよう、
APHでしっかりと「ブレない軸」を創っていきたいと、改めて思いました!!