長尺のお仕事。現場で感じた空気と緊張感

今日は長尺です。

課題は続いて「現場の空気を支える」です。

手が震えました。

作品の内容はある主婦の日常で、
家事だけで過ぎていく人生に疑問を持ちそれを変えようとする物語です。

この作品、とても静かでゆっくりと進んでいきます。
主人公の心理を画面の雰囲気で表しつつ、
少しずつ少しずつ緊張感を高めてきてました。

じわじわと家庭の中に不満と疑問がたまっていき
息苦しさを感じました。

演じるのは劇団系の手堅いベテラン揃いです。
その方達がまた丁寧に演じ
作品と同じように静かで高い緊張感にスタジオが包まれました。

合間で話をする時もなぜか皆さん小声になるんです。

やはり空気ってあるんですね。
この空気を支えようとしたのですが…
主人公が電話で話している裏のニュースを自分が喋るのですが、
台本が揺れてノイズが出るほど手が震えました。

こんなに緊張するとは思わなかった。
家での稽古で、ブツ切りのニュース部分を
内容や場所を調べある程度繋げるように足してきました。
家ではニュースとしてしっかりと伝えられる芝居に
それなりになっていたと思っていました。

しかし本番で緊張して怖くなりました。
何が怖いのかわかりませんでした。
恐怖と緊張で手が震えて、声も震え出しました。

一度NGを出し、リテイクまでの10秒ほどで
ギリギリ立て直しOKをもらいました。

危なかった。

こんなに手が震えたのは初めてです。
確かに主人公の心理を表す暗めのニュースで、
その雰囲気でシーンの空気が決まる部分ではありました。
でもここまで緊張するとは。

先日の若手だけの現場とは空気の質量が違った。
自分はベテラン達がつくる空気を支えようとして潰れかけました。

やり方が違ったのかも知れません。
でも多分、上の人達は常にこの質量の緊張感の中にいるのだと思います。
芝居の質や存在感が違う理由の一つはこれなのではないかと思いました。

何とかOKはもらいましたが、
自分の実力のなさを痛感した現場でした。

通販化粧CMのお仕事に行ってきました!!

某通販化粧CMナレーションに行って参りました。

メインナレーションは男性で決まっています。

私は、間に入る女性の声を担当します。

つまり、その化粧品を試して使った女性が
感動している画面に声を当てるのです。

メインを受け持つ男性は同じ事務所の方だったので、
社長と3人で待ち合わせしてスタジオに向かいました。

四谷にあるとってもステキなスタジオです。

 

先に、私が録音ブースに入りました。

女性3人分の感動した声を当てるのですが、録音する前に、

「監督からあまり若すぎないで」と指示が有りました。

まず、一人目の女性に声を当てます。

想いを込めて、APHでやっている○を意識して録りました。

これは、一発OKです。

クライアントさんがとても喜んでいたと後で男性ナレーターから聞きました。

問題は次です。

2人目の女性。

思い切り変化ができなかったんです。

明確な変化を示すべきところが、似たり寄ったりになって、
変化しきれていませんでした。

それは自分でもわかりました。

本当は、高音を使って実感を込めてウキウキやろうというプランはあったのですが、
「若すぎないで」という指示がどこかにひっかかってしまい、
自分に制限がかかってしまいました。

監督にも、「あんまり変わってないですね~」と言われてしまいました。

心の中で「がーん・・。わかっていますとも・・。」と思いつつ、

もう若く聞こえてもいいや!と開き直り、
次に思い切りやるとOKが出ました。

あっ・・・これでいいんだ・・とちょっと驚きました。

後で気になったので、社長に聞くと、
「別に若く聞こえなかった」と言われました。

あ~自分の思い込みって、怖いですね。あ~こわいこわい。

高音だから若いって思ってる私って・・・・・バカだな。

自分で決めてる枠って怖いですね。。

変化させるというのは、当たり前ですが、明確に提示することが大事です。

それやりすぎですね!って言われる方がましです。

しっかり反省して改善していきたいと思います。

3人目の女性は、こうやるというプランがあったので倍音を意識して、
やりきると一発で「OK」を頂きました。

 

大人数のクライアントの方がいて、
いろいろな人の意見が飛び交う現場でした。

その中に自分が呼ばれたのだから、
しっかりと自分の音、思いをそこに置いていけるように、
日々稽古したいと思いました。

海外ドラマの収録。良いリズムで進める事ができました!

今日は海外ドラマの収録です。

内容は「日本の特撮」のようなもので個人的に非常に楽しかった。

いろいろな科学的な話やロボットが出てくるのですが、
どれも凄く良い加減なんです。

それがとても楽しかった。

難しい専門用語で設定を細かくするのも面白いのですが、
それらを取っ払って「こんなのあったら面白い」という内容でした。

主人公達は中学生から高校生という子供達。
演じる側も20代前半から19才の子もいました。
若い。

登場キャラは基本的に、主人公達と敵数人という少人数。
自分はその他の市民から兵士まで手広く演じます。

ここ最近、子供の頃から聞いていたベテランNさんにお会いしたり、
レギュラーでの自分の立ち位置、役割を見直したりと演じ方に変化がありました。

この若い共演者の中で自分がやる事。
それは空気をつくり、支える
「脇役」という役割だと考えました。

若い方達は演じる事に一生懸命です。
その土台になり、もっと自由に楽しく演じられるように
空気を支えようと思いました。

これは今はけっこう感覚的な部分が多いのですが、
やっていけばもっと具体的な技術になるのか?

間抜けな敵兵士でキッチリと笑いを取り緊張をうまくほぐし、
合間で楽しく作品について話す。

特に意識したのは、自分が喋っていない時です。

何も喋っていない時でも、良い緊張感を持って
空気を支える事ができるのではないかと思っています。
セッションや個人レッスンで代表が目の前で実践して下さった技術を
使おうと試みました。

手応えがありました。

良いリズムで、誰かがセリフをかんでもそれを途切らせず
収録を進められたと思います。

しかしエネルギーを使う…
常に一定の緊張感を持っているので
ずっとエネルギーを出し続けているような感じなのです。

トップクラスの人はエネルギッシュな人しかいないのですが、
理由がちょっとわかった気がします。
そうじゃないと出来ないんですね。

今回は上手くいったように思います。
まず、現場の空気をつくれる役者になりたいと思います。

TVCMナレーションのお仕事に行ってきました!!

ついに!!!!

TVCMのナレーションが決まりました。

某化粧品のナレーションです。

六本木にある某スタジオで録音します。

とても綺麗で広くて良いスタジオです。

マネージャーと朝10時にスタジオに入りました。

スタジオに入った瞬間、「うぉ~~~!」心が躍ります。

すみません・・・素人みたいで・・・(笑)

ウキウキしました。と同時に、緊張しました。

 

クライアントの方達が遅れるとのことなので、

「先にやっちゃいましょうか?仮で!」
と指示を頂き、ブースに入ります。

仮と聞き、とてもリラックスしてブースに入りました。

私は女性が話す一言台詞と最後の宣伝ナレーションと
合計二つ任されていて、事前に原稿も頂いていました。

初めは女性が話す一言台詞の録音です。

これは、3回くらいやって、OKをもらいました。

そのすぐ後に、
「同じセリフを敬語でやってもらえないか?」
と指示を頂いたので、やってみると

そっちの方がしっくりきたようで、一発OKで
「あっこれ頂きます!!」
と明らかに喜んでいるのがわかりました。

 

次は、最後の宣伝ナレーション部分の録音です。

これは、最初の女性の台詞とは別物にしたいと指示が有り、
音を変化させて取り組みました。

最初、自分の低いところを使って、カッコよく決めたところ、
「なんか暗くなっちゃいましたね・・もっと明るく」と言われました。

今考えれば、APHでやっている○に当てるという面白い稽古をしているので、
そこで楽しみながら変化させていけたな~と思うのですが、

さっきの女性の台詞とは違う音域ってどこだろ??と探ってしまったし、
そもそも音で変えなくてもいいのに、自分が迷い始めているのがわかりました。

何回か繰り返し録音を進めていき、途中、あっこれです!!
というのが録れたのに私がトチッてしまい、それは使えないというものも。

本当に恥ずかしいのですが、10テイク位やってしまいました。

最後は、納得していただけるものを出せたので、結果オーライではありますが、
くやしいです。
いや~~本当にくやしいです。

もっと自分の音を研究していきたいと思いました。

 

その後、クライアントの方達が現場に入り、
その整音して出来上がった仮のCM画面を見て頂きました。

最初、ナレーションの事には触れられず、雑談が始まり、
心の中でヒヤヒヤしていたのですが、

それを察したディレクターの○さんが、「ナレーションどうですか?」
とクライアントの方達に聞き、

「あっとても良いですよ」とコメントを頂き、安心しました。

そこで、録り直しをする事なく、「仮」と進めていった録音がそのまま使われたのです。

感謝です。

 

この録音は2ヵ月くらい前です。

今はAPHで学ぶ技術も進み、何をしたらいいのかはわかっています。

だからこそ、くやしい!!

自分の一音を見つけたい・・・そんな風に今は思います。

そして、今クライアントさんから、決まって求められる自分の音があるのですが、
それを自分がどうやって身体や口中を使って出しているのか、
稽古を進める中で、分解して理解していきたいと思っています。

再現ドラマの撮影に行ってきました!!

NHK某番組の再現ドラマ撮影に行って参りました。

事前の情報は、番組名と集合時間と移動先だけ・・・

何の役なのかは当日までわかりません(笑)

朝7時にNHKスタジオ前に集合!!

私は、Eテレが大好きでスタジオで集合するだけでも、嬉しいのです。

「またNHKのスタジオに来れた~~~!!」

朝7時なのに、私のテンションは上がっています(笑)

しかしながら、NHKのスタジオ撮影ではありません。

集合しているキャストはそのままスタッフさんの指示で、
ロケバスに乗り込み、NHKを後にします・・。

「また来ます」と心の中で叫び、そのまま熊谷に送られました。

そう、熊谷です。この撮影は8月頭です。

最高気温を記録し続けるあの「熊谷」です。

熊谷に、撮影で使われる「病院」というか「診察室」があるのです。

確かに味のある建物でわざわざそこで撮影する価値のある建物です。

しかし、クーラーなんてものはなく、扇風機のみ。

そして私が演じる役は主役のお母さんです。

主役が子供の頃に病院にかかったという重要なシーンです。

その衣装はなんと「着物」。

暑いです。暑いです。暑いです。

あついよ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!

そして監督と挨拶し、芝居が始まります。

台本はなく、その場でこう動いてほしいと指示を受けます。

しかも結構細かいのです。

「こういう状況で、病院に来ています。他病院では診察受けられません」等々、

どういう設定なのかを口頭で説明を受けます。

実際の放送では、声は使われないようですが、台詞の指示もありました。

医師役の方はその場で病名を覚え、注射をしたりと大変そうです。

私は、主役の幼少期を演じる10歳の男の子と診察室に入り、
「こういう症状です」ということを
旦那さん役や医師役と話しながら、その場でやりとりをしていきます。

ある意味、即興です。

細かい段取りだけ指示され、
「台詞のやりとりは、まかせま~す!!」
という空気です。

相手の出方もわからないので、よく観察しつつ、
台詞もその場で組み立てながら、どういう感じかリハを繰り返しました。

再現とはいえ、監督も気合いが入っていて、
本気の芝居をしてほしいという意図が伝わりました。

なので私も、だらだら流れる汗を感じながら、真剣にお芝居を楽しみました!

暑いけど、昔体育館で尋常じゃない汗をかきながら
芝居をしていたので、懐かしい感じも有りました。

撮影は良い感じで進み、同じシーンを角度を変えて数回撮影し、
熊谷での撮影は終了!!

その後は、埼玉の病院で別シーンの撮影です。

私は妊婦役です。

始めて、お腹がぽっこりするバンドを巻きました(笑)

妊婦と聞き、お産のシーンが来るのか?!とドキドキしたのですが、

気絶しているという演出で、ずっと目をつぶっていました・・・・。

他の役者の様子を感じていましたが、
一人だけ指示に対応できない役者がいて、監督が少しイライラしていました。

私は、気絶してるので何も助けることはできなかったのですが・・・・。

もう一人の役者は先程のシーンで監督を納得させる芝居ができなかったので、

このシーンで挽回しようと演じていらっしゃいました。

分娩台の上で目をつぶる私は、「あ~現場っていいなあ・・」
と一人静かに思うのでありました・・・(笑)

すべての撮影でAPHで鍛えた「そこにいる」を適用しました。

これが原点だと思います。

だから即興でも、何が来ても大丈夫。

とっても楽しむことができました。感謝です。

またやりたいです。

現場で自覚した自分のクセ

以前、お世話になった某ソフトの収録のお仕事を
ご指名で頂きました。

今回も一言台詞がいくつか用意されています。

以前と同じものを求められ、

「どれだ?(笑)」と一瞬考えちゃいました。

正直、わからないまま

「たしかこんな感じなはず!」

と録音を進めていくと、

「ちょっと早いです。(テンポが)」と言われました。

ちょうどそのころ私は、台詞がつっこむクセがあると
個人レッスンでご指摘を頂いたばかりでした。

まさにここでも出てしまうとは・・・!!!

自分のクセを自覚した良い機会でした。

その後、ディレクターが以前のOKテイクを流してくださり、
「あっこれか」と腑に落ち、OKを頂きました。

所要時間は15分弱。

あっという間の時間でした。
(台詞も少なかったので)

また呼んで頂けるように精進します。

石塚運昇さんへの追悼文

石塚運昇さんに初めてお会いしたのは
もう20年近く前になります。

運昇さんはとても気さくな方で、
ど新人の自分にも気軽に話しかけて下さいました。
幸運な事に、養成所の特別授業などで数回教わる事ができました。

運昇さんは全く飾らない方でした。
「自分の出番が終わったらロビーで寝てればいいんだよ(笑)」
と冗談を言われ返答に困りました。
本人がやっていたかはわかりません。

事務所の旅行で小さなお子さんを連れてこられた方がいると
「オジさんはポケモンの博士だよ~」
と嬉しそうに子供の相手をされていました。

その後自分が事務所を変わり、運昇さんに再会したのは10年ほど後の事です。
とある現場でご一緒したのですが、
流石に自分の事は忘れていらっしゃいました。

しかし、挨拶をし収録が進み休憩になると
腕組みをして考え込むように自分の前に来て
「お前、俺の知ってる◯◯か??」
と話しかけて来てくれて、現場で会えた事をとても喜んで下さいました。

そこから運昇さんと現場でたびたびご一緒する事ができ、
素晴らしい時間を過ごす事ができました。

運昇さんが芝居でたまに見せる弱さが好きでした。

強面の悪人をたくさん演じているのですが、
どの役もどこか人の良さが滲み出て悪人でも柔らかく感じました。

一番印象に残っているのがテレビで見た映画の吹き替えです。

気弱な医者の役で、あるシーンで婚約者を助けてお礼を言われた後
「よしっ!!」と嬉しくて小さくガッツポーズをするのです。
その「よしっ!!」が本当に頼りなくて、
でも何というか、可愛らしいと感じました。

ある時セリフが少なくてずっとロビーにいたらディレクターに
「もう終わりですか?こういう時はお菓子でも買ってくるもんですよ(笑)」
と冗談で言われたのに、その後慌てて出て行き本当に買ってきてしまう。
そんな所が芝居にも出ていたのではないかと思います。

もっともっとご一緒したかった。
自分が遠回りをしてその機会を逃してしまいました。

運昇さんと過ごした時間は自分の中で宝物になっています。
マイクの前にどっしりと立っている姿がカッコよかった。

謹んで哀悼の意を表します。
運昇さん、本当に有難うございました。

大手生命保険会社のVPの撮影に行ってきました!②

本日は「大手生命保険会社の社内研修用ムービー」
二日目の撮影に行ってきました!

前回に引き続き、自分は
「コンプラ違反の上司を黙認した結果、人生を台無しにしてしまった若手社員」
を演じます。

朝7時頃に都内の公園に集合すると、
こちらも前回と同じスタッフ陣が快く迎えてくれました。

この日は自分一人のシーンのみの撮影で、撮影時間も短いからか、
クライアントもおらず、スタッフ陣もリラックスしていて、
またしても楽しい雰囲気で撮影がスタートしました。

先日と同じように
「監督のディレクション&テスト→カメリハ→本番」
という流れで進んでいき、監督が思いついたことは積極的に試していく形となりました。

仕事を失い公園で職探しをしているところに母からの電話があり、
親に迷惑かけたと後悔し涙する息子…あるあるな展開ですね(笑)

前回以上に滞りなく、テンポよく撮影が進んだ事で、
予定より30分~1時間近く巻けた(早く終わった)のですが、
スタッフ陣も明らかにトーンが上がっていたので、とても嬉しかったです!

撮影が終わると、スタッフ陣が満足した表情で
「お疲れさまでした~!」
と挨拶してくれて、制作の人とも仲良くなることができ、とても充実した気分でした!

監督とは、名刺を渡し
「また何かありましたら宜しくお願い致します」
とご挨拶をしたところ
「僕もこれから色々やりたいから、また宜しくね!」
と言っていただけました!

反省点は勿論多々ありますが、今回も一つ、置いてくる事ができたと思います。

どんな現場でも、また、どんな今自分がどんな状況でも、
今できることを丁寧に、丁寧に、真っすぐに積み重ねていきたいと改めて思いました!

この経験を活かして次の仕事も頑張ります!!

現場でNさんとご一緒させていただきました!!

感激しました!!

自分が初めてアニメーションという物を意識した作品に出ていた
Nさんに現場でお会いしました。

現場に入って準備していると、
年配の男性がスタジオに入って来ました。
挨拶すると
「Nです。よろしく」
と気さくに挨拶を返して下さいました。

Nさん?
劇団系の方かな?
自分は誰だかわかりませんでした。

アニメでは、台本が上がった段階では
メインキャスト以外が決まっていない事がよくあります。

そのため香盤表がメインキャスト以外空欄になっていて
配役が決まった後、その台本を渡される役者の名前だけ
手書きで書かれたりしています。

そんな状態だったので誰が来るのわからなったのです。

Nという苗字もよくあるもので特に気にもしていませんでした。
そして収録が始まり、
Nさんがマイクの前に立ち喋り始めると…

震えました。

30年近く前、自分が小学生の頃
学校が終わると急いで家に帰って見ていた大好きなアニメ
その主人公の師匠だったキャラクター。

その声が、あの頃のまま、全く衰えず
聞こえて来ました。
そこで初めて気付いたのです。
「あのNさん」だと。

スタジオの長椅子、その角の席
そこに座るNさんのすぐ横に自分は座っていました。

テストが終わると、自分は改めてNさんに挨拶をしました。
話がしたくてしょうがなかった。
現場で、収録中ですが我慢できなかった。

「あの作品が大好きでした」
「お会いできて感激しています」と。

Nさんは
「そうですか」
と嬉しそうに笑って言って下さいました。

それから本番が始まるまで、
当時の収録の話、最近のアニメの話などを
とても気さくに話して下さいました。

嬉しかった。
そして緊張してきました。

このNさんの前で芝居をするのです。
下手な芝居は見せられない。

自分はNさんとの会話はないものの、
Nさんのセリフが終わってすぐ次のシーンで喋り始めます。

そのシーンの切り替わりまでのほんの数秒間、
マイクの前に並んで立つ事ができました。

嬉しかった。

自分はこのシーンに出てくる子供の父親役で
野生動物を保護した子供に自然の厳しさを説く
という役なのですが…

「ちょっと厳しすぎますね」

いかん。

非常に良い緊張感で身体の力が抜け、
音も芝居も手応えがあったのですが…
気負いすぎた。

良い所を見せたかった。
とりあえずリテイクでOKをもらいました。
悔しい。

そしてNさんの後半のシーン。

衝撃を受けました。

こんな風に攻める事ができるのか。

自分はヒーロー物作品で賑やかす役をやっていて、
セリフの言い回し、テンションの上げ下げを駆使して攻めた芝居をしていました。
していたつもりでした。

それで最終回に上手くいかず、
攻めと守りを両方適切にできないといけないと感じました。

しかしNさんは全く違う。
攻めていました。
そして同時に守ってもいました。

なにも変わった芝居はしていない。
自分には新しく聞こえる表現もないように聞こえる。
しかしただただ徹底的に丁寧でした。

語頭、語尾、抑揚、喋り始めから終わり、その間、後まで、
とにかく極限まで丁寧に演じられているように聞こえました。

極限まで丁寧に演じる事で、
シーンの筋をしっかりと支え守り
同時に攻めているように聞こえたのです。

衝撃でした。

こんな攻め方ができるのか!?
守りながら攻める事ができるのか!?

変わった事をしていないのにとてつもない存在感がありました。
ああ、APHで教わっている技術を丁寧にストレートに使うとこうなるのか。
改めて理解しました。

本番のセリフでほんの一瞬、
Nさんが言い淀んだように聞こえました。
ディレクターからOKが出たので自分の聞き間違いかな?と思ったのですが、

「もう一度やらせて下さい」

とNさんが言いました。
Nさんは全く手を抜かない。
また徹底的に丁寧にリテイクを演じられました。

ヒーロー物の来シーズン。
Nさんのように守りながら攻める事を目指したいと思います。

大手生命保険会社のVPの撮影に行ってきました!①

前回の個人レッスンで教えて頂いた「●」という技術をオーディションで使ってみた結果、
あれだけ苦戦していたオーディションに、なんと一回目で合格することができました!

会場でセリフの一言目を喋った瞬間、
監督が自分の用紙にチェックを入れたのが見えて、その瞬間に
「あ、通った…!」とピンときました。

そして数日後にそれが現実となった時、
改めてAPHの日本語の技術の深さと絶大なる効果にびっくりしました!

しかし本当の芸事の道はまだまだ先にありますので、
この結果に深く感謝して、更に稽古を積み重ねていきたいと思います!

今作品は「コンプライアンス」に関する大手生命保険会社の社内研修用ムービーで、
いくつかの物語で構成されており、自分はその中の一つである
「コンプラ違反の上司を黙認した結果、人生を台無しにしてしまった若手社員」
を演じました!

初日は都内にあるクライアントの本社で行われ、朝9時前に集合し、
スタッフ、共演者と挨拶を済ませると、早速場当たりが始まりました。

クライアントが3名、キャストが5~6名、スタッフは10名程でしたが、
現場は凄く良い雰囲気でした。

「監督のディレクション&テスト→カメリハ→本番」
という流れでテンポ良く撮っていきながらも、
監督が思いついたことは積極的に試し、納得するまで何度も撮り直す。というスタンスで
「少しでも良いモノを創ろう」という気持ちが、スタッフ陣全員から感じられ、
皆が楽しんでいる感じもあり、とても活気のある現場でした。

コンプラ違反の上司役の方も現場経験がある方で、
セットチェンジの間も2人で楽しく話しながら、リラックスした気分で撮影に臨めました。

昼休憩と、一部のシーンを除いて、殆ど出ずっぱりだったので、
常に監督のディレクションに対応できるよう、現場の空気を汚さないよう
「楽にしていながらも、中では常に回転力を保つ」
という事を意識していたのですが、とても勉強になりました!!

カチンコがなったら芝居をピタッ!と決めて、
セットチェンジの間は共演者やスタッフの方達と談笑しながら
周りをしっかり観察し、次のシーンの準備をする、

そしてまたカチンコがなってピタッと芝居をする・・・
何十回ものカチンコの音を聞きながら、
ある一定の緊張感とリズムの中でお仕事ができるのは、
本当に幸せな事だと思いました!

また、常に現場の空間にいると、途中から入って来たキャストの誰が、
何をしてその空気を濁すのかが物凄くよくわかりました!

途中から現場に入って来た女優さんに
「じゃあ君、ちょっとこんな感じで芝居してみてくれる?」
と監督がアドリブで振ったが彼女がそれに対応できないとわかるや否や
「あ、ごめん!ちょっとなしでいいや!」
と監督はすぐにその子を切ってしまいました
…当然ですよね。

現場の空気や、上から求められている事をパッと掴んで、
過不足なくスッと対応できる能力、柔軟さは、
下から這い上がっていこうとする自分達のような役者には、特に重要な能力だと思いました。

小さな現場でしたが、自分が中心になって撮影が進んでいく感覚は充実感に溢れており、
プレッシャーは感じますが、それ以上にとても楽しかったです!!

一通りお芝居が終わると、
「only」と言われるモノローグ(独白)部分の撮影を一気に撮りました。

カメラはいつも通り回し、ガンマイクを口元に寄せてもらう中でセリフだけを喋る、
という形式でした。
セリフだけを吹き込むのは難しく、自分のセリフの甘さを痛感しました。

もっともっと●●や■■等の稽古をして、
セリフだけでも深い表現のできる実力を付けていきたいと思いました!

初日の撮影が終わり、監督やスタッフの方々に挨拶済ませビルを出ると、
一つの大きな開放感が湧いてきました!明日の撮影も楽しんで臨みたいと思います!