ガヤの大切さ!吹替レギュラーのお仕事!

今日も外画です。
番組レギュラーで出ているこの作品はラストシーズンです。

物語がどう終わるのか楽しみです。

さて番組レギュラーでの自分の課題は、
まず毎回振られるその他大勢の役をどう演じるかです。
メインキャラではないので大筋には関わらない。
しかし同じ世界にいてある程度会話をする。

特に今の少人数での収録だと台本上の自分のセリフはすぐに終わってしまい、
ほとんどがガヤと呼ばれるシーンの裏で流れる喧騒や話し声がメインになります。

状況をちゃんと把握していないとできません。
以前あるアニメを見た時、
一言だけ喋る村人でその世界の雰囲気が伝わる事を実感しました。
その他大勢がしっかりしていないと物語の雰囲気が崩れるのです。

この作品のディレクターであるFさんも、
「ガヤが上手くないとメインキャラはできない」
と言っています。
たぶんちゃんと作品を理解していないとできないという意味なのだと思います。

自分はここまでのストーリーの中から単語を拾ってきたり、
シーンの中で起きている事について触れたり、
いくつかセリフをつくり現場でそれを組み合わせて演じます。

特に作品独自の設定や専門用語があると、
用意せずその場でとはいきません。
コロナの影響で少人数での収録になり、
掛け合いでのガヤがし辛くなったのもあります。

この状況でガヤを収録していると、
作品やシーンの事をどれくらい理解しているかが良くわかりました。

会話だと相手に合わせていればある程度成立していたのが、
あまり考えず一人で喋っているとすぐにネタがなくなってしまうからです。
ガヤの上手い人は入念に準備をしている人なんだと思います。

このガヤのセリフを考える事が、
最近面白くなってきました。
正直、何年か前ははその他大勢の役やガヤは嫌でした。
やはりメインキャラを演じて物語に深く関わりたい。
そう考えていたからメインキャラがなかなかできなかったのかも知れません。

今日の収録では街を巡回する兵士、
そこに囚われている市民、
酒を飲んでいたり喧嘩していたりといろいろやりました。
進んでガヤに参加するベテランが、
「ガヤは楽しい」
と言っていたのを思い出します。

その気持ちがようやく分かるようになりました。
これをもっと膨らませていきたいと思います。