某大手食品会社のCMの撮影に行って参りました。
30秒・60秒のTVCMと、70秒のWEB CMです。
今回は、オーディションの段階から、
絵コンテと併せて参考資料として各役の衣装イメージの
写真も事前に送られてきていていました。
更に、オーディションに受かってお仕事が決まった段階で、
役の細かい設定(名前、年齢、住んでいる場所、家族構成、仕事、現況など)が、
監督から送られてきました。
CMのお仕事で、ここまできっちりと
事前にイメージが送られてくるのは、あまり無いことです。
そしてこれは、役者にとってはとても有難いことです。
監督の作品への想いが伝わってきます。
CMの撮影は、ドラマの撮影に比べるとかなり<繊細>です。
数十秒という短い時間に、一つの世界を創りこんでいくのですから、
それはそれは繊細な作業になるのです。
商品の見え方も勿論ですが、画に映りこむ時の人の見え方や、
台詞のタッチやニュアンス、細かい表情などなど・・・
本当に本当に繊細に作っていきます。その繊細さはミリ単位以下です。
なので、1テイクでOKとはなかなかなりません。
何度も何度も撮っていきます。
そして、本当に微妙で絶妙な加減で、「はいOK!」となるのです。
逆に言うと、その繊細なところまで監督はしっかりと見抜いて、
判断をしているということ。
だからその監督を信じて、焦らず、腐らず、あきらめず、
立ち向かい続けるのです。
以前の私は、テイクが重なっていくにつれて固くなったり、
自分を責めたり、萎縮してしまったりして、どんどんダメになっていました。
でも今は、「姿勢」を決めて「正しい位置や角度」になるように
イメージングをして、あとはもう肚を決めて、そこにいてただコミュニケート。
ずっと起因で立ち向かっていれば、場の空気が悪くなることはなくて、
むしろ、味方が増えてきて、全体で一点に向かって良い集中になっていきます。
これはAPHで稽古をしながら現場を重ねていって、
段々と出来るようになってきたことです。
「繊細に大胆に。」・・・APHの代表から頂いたこの言葉は、
現場でのあり方そのものです。
そしてそうするためには「覚悟」が必要です。
毎回毎回覚悟を決めて、これからも現場に臨んでいきたいと思います。