「プロになるまでの全て!」Yさん編05

 

 

チャンスは来るのに掴めずに失敗する。

自分はこれを繰り返しました。
内容は今思えばすぐに直せたり、フォローできる簡単なことばかりです。

・自分の役を間違えてチェックしていた
・緊張のあまり前日眠れず現場で居眠り
・台本にコーヒーをこぼし、それを言い出せず本番でノイズをたてる
などです。

役を間違えてもセリフは一言しかなかったし現場でやれない事はない。
眠いなら立ってればいいし、
台本汚したら素直に言って変えてもらいましょう。
当然怒られますが本番で迷惑かけるより
周りにとっても自分にとっても100倍マシです。

でも言えなかった。
隠す事ができないほどの事をしているのに、
自分のミス、弱さを自分から言えませんでした。

さすがに危機感を覚え、
先輩主催のワークショップに参加したり
外部の劇団に参加して舞台に立ったりと何とか自分を立て直そうとしました。

この行動自体は自分にとってとても良い経験になりました。

声優は役者の一部とよく言われます。
ここまでの自分は「お芝居」というより
「声優」に意識が向いていて、
この二つが同じものの違う側面である事を全く理解していませんでした。

ここから少しずつ「お芝居」の面白さを感じ始めました。

そして

ここで後々まで自分に大きな影響を与えるある人物

「Tさん」

に出会っていたのです。

Tさんは養成所の同期なのですが、その後Tさんも所属になり同僚になりました。
正直、養成所の時はこれといって印象に残っていません。

所属になり先輩のワークショップでも一緒に稽古をして、
ここでいろいろと話すようになりました。

これは自分にとって奇跡の出会いでした。

しかしTさんの存在が自分に影響を与えるのはもっと後の事です。

 

この時点での自分は、
とにかくいろいろやって少しでも実力をつけ自信を取り戻そうとしていました。

しかし失敗を繰り返す。

お芝居の実力は確実に付いていきました。
先輩からも褒められました。
それでも失敗する。
お芝居が原因ではないからです。

こういった失敗から現場で、
「自分は間違っているのではないか?」
「何か失敗するのではないか?」
と疑問や不安に囚われるようになりました。

この当時の自分には「理想の自分」がありました。
小さい仕事をもらってバーンと決めて次に大きな役で大抜擢!!︎
みたいな大ざっぱで浅い妄想です。

それは頑張るエネルギーにもなりましたが、
失敗すると「こんなはずはない」と現実逃避するエネルギーにもなったように思います。

それまで前に進むのに使っていたエネルギーで
全力で後退しだすのですからかなりの勢いです。
あっという間に自分は自信をなくし、
やればやるほど不安になっていきました。

原因は自分の間違った考え方なのです。
専門を卒業してすぐに所属になった自分は
「仕事をナメていた」のだと思います。

それに自分が「できない」事を認めたくなかった。
自分は芝居ができる、できていると勘違いしていたのです。
だからもう現場でバンバン仕事ができる!!︎
もう自分はプロだ!!︎
と思い込んでいました。

なのに失敗する。
こんなはずはない。
自分はできるんだ。
これはたまたまだ。
失敗した事実を認める事ができませんでした。

だから失敗は止まりませんでした。

 

 

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