「プロになるまでの全て!」Tさん編17

 

 

 

 
ずっとお世話になっている共演者のMさんが、
番組の裏方として携わっていたので、
無理を言ってお願いしたのだ。

Mさんは嫌がることもせず
「プロフィールを作れば?」と冗談半分で仰ったので、
早速、面接用にAPH仕込みのプロフィールを作り、
写真も撮り直し、歌を入れたボイスサンプルを仕上げた。

その後、Mさんに時間を作ってもらい、
プロフィールを見せると、「いいじゃん」と言って、
その場でプロデューサーに電話をかけたのだ。

急すぎて、緊張したけれど、
代表から電話がつながった時に何を話したらいいのかまで
アドバイスを頂いていたこともあり、
その電話であっさり、面接が決まった。

面接当日は、特別な想いであふれていた。

私の憧れの子供番組のプロデューサーが、
私みたいな素人と会ってくださる。

期待していた。

だって、わざわざ時間を作ってくださる。

本当なら電話で断ることもできたはず。

それなのに、断られなかった!

私は、夢や期待を膨らませていた。

 

 


 

 

TV局本社に入って、面接が始まると、
軽い世間話から始まり、とうとう本題へ入った。

自分のプロフィールを見せながら、自分の子供番組に対する熱い夢を語った。

想いを全部伝えきった。

本気でこのまま、うまいこと話が進むんじゃないかと思っていた。

そして、返ってきた言葉は、

「いや~こんなふうに、関わろうとしてくる人は沢山いて、全部断ってる。
そして、今回はMさんの紹介だから時間を作ったけど、普通なら断ってる。
まず、30歳を過ぎている人をとらないよね。
あと、この経歴じゃあ、難しいね。
まあ、30歳からが役者としての分岐点になると思うから、こっから頑張って。」

面接は、以上終了だった。

その後の記憶はない。

ただ、かなり落ち込んでいたのは確か。

見たくなかった現実を突きつけられた私は、くやしくてたまらなかった。

代表へ報告すると、

「やっと目を覚ましたか?こんなもんだぞ。お前の好きなものはなんだ?」

プリンです・・・

「今日はそれを食え(笑)」

代表は全部わかっていたのだ。

甘い絵空事だった。
ここを超えればどんどん流れが来ることも代表は知っている。

「今回のことで、ぞっとするくらい落ち込めたらしめたものだ。
そんなもんで済んでいいなあ。
もっと地獄を見なきゃわからないんじゃないの~」

固い私は、その言葉の真意を受け止めきれず、
本当に落ち込んでお葬式ムードだった。

正直、プリンを食べても立ち直れなかった。

いつだって、深刻さと固さは隣り合わせだ。

こんな状態で、感謝は生まれるはずがないなと・・。

今はそう思う。
 

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