「プロになるまでの全て!」Tさん編24

吹替ワークショップは現場に近い空気を吸うことができて、環境はとても良かった。
あとは半年後に行われる事務所オーディションに受かるために全力を尽くすこと、、
だったはずなのに私は人生でまたミスを犯した。
そんなミスという言葉では収まらない。
人として最低行為だ。
詳しくは書かないが、お金のことだ。
あるプロジェクトを進めていたのだが、私は父と代表を裏切ってしまったのだ。
隠していた事実が明るみにならないように、嘘をついたのだ。
そして、隠していた事実も、嘘をついたことも、バレたのだ。

この世の終わりだった。
嘘をついてしまったこと。
嘘をつかなくてはいけない状況にしてしまったこと。
そして何よりも信頼が失われてしまったこと。
自分のせい。
自分の悪い癖が原因だった。
私はもうAPHに居られないかもしれない。
そう考えるだけで、この先どうしたら良いんだろうか。もう生きていけない。と思った。
大事な人たちを裏切ってしまった時も、自分のことを考えてしまうから呆れる。
けれども、私はそんな程度の人間。
いつでも自分のことばかり。
自分を1番に考えてしまうのだ。

一度失われた信頼を取り戻すことは簡単じゃない。
行動で示すしかない。
結果で示すしかない。

どうしてそうなったのかを時系列で書き出した。
書きながら涙が止まらない。
自分のせいだから擁護はしない。
もう直面することでしか変われない。
だから正直に書いた。
そしてAPH魂をインにする。
反省して改善して機を見て立ち上がるしか道はない。

お前に対する信頼は今はゼロだ。

こんなことを代表に言わせてしまい、
今でも申し訳ない気持ちだ。

信頼が崩れるのは一瞬だ。

もうこんな想いは二度としたくない。

またいつか同じことをやってしまうんだろうか、、
そう思うと怖くてたまらなかった。
自分の悪い癖、甘い考えを変えなければ。
まだここに置いていただけるのならば、私は人として変わらなくちゃ。
正直になろう。
そう決めて、ゼロからやり直している。

正直、この事に触れるのは今でもキツイ。
でも書かないといけない事実だから書く。

自分の根本が腐っている場合、
本気で痛い目を見ないと、なかなか人は変われない。
私は変わるチャンスをいただけた。
人間として大事な部分を見直す機会を頂けた。

おかげさまで、私は今、変わった。
私を支えてくださる周りの方達のおかげで随分と私は変わることができた。
だから今成功している。

でもここに辿り着くまでに、いくつもの試練がまだまだある。

とりあえず、半年後の事務所オーディションは全滅した。そりゃそうでしょ。
人間として中身が腐ってるのだから、神様が許すはずがない。
確かこの時は、書き出しを終えて、APHに復活したばかりだった。
誰からも応援されない。
そんな人が事務所オーディションに受かるはずがない。
まずは崩れた信頼を取り戻すこと。
そこからしか始まらない。

腐っている自分から、一刻も早く変わりたかった。

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