外画吹替のお仕事!求められるキャラクターと広げたい幅

この前、初めて行った制作会社からまた一本仕事をもらえました。

新しい所での仕事がつながるのは嬉しいです。
今回も良い仕事をしてさらにつなげたい所です。

ディレクターさんは前の事務所からお世話になっている方です。
だいたい被害者など立場が弱く困っている役を振られて自分の役のイメージが、
固まって幅が狭くなっているように感じます。

今、日曜セッションで何とか作ろうとしています。
なので何とか違う面も見せたい。

今回も生活に困りお金を盗んでしまった父親という
今までと同じイメージの役でした。
警察が家に来て尋問されて答えるシーンで、
日曜セッションで出てきた高音の嫌味なところを入れてみました。

セッションで強く感じましたが、
台本と違うキャラクターを入れるのは難しいです。
稽古では役の性格が変わってしまっても、
切り取られたシーン内でならなんとかできます。

しかし現場では役の性格を変えていまってはただのNGです。
それが変わらない範囲で何とか少しでも入れられれば、と考えました。

必死に警官に言い訳をするシーンで、
少しだけ入れてみました。

ダメでした。

「ここでは素直に罪をみとめて誠実に答えて下さい」
と言われました。
ディレクターの言う通り、
このシーンで自分の役は止むに止まれずお金を盗んでしまったけど
罪を全面的に認めて返そうとしていました。

何とか違う面を出そうと強引に入れてしまい上手くいきませんでした。
これはやはり無理があったようです。
再度のテストで修正しました。

修正した方向で本番OKが出ました。
今回はこれがベストだったと思います。
しかし難しい。

ベテランの声優は、
どんなに誠実な役をやっててもどこか胡散臭かったり
嫌味な役をやっててもなぜが憎めなかったり
役としてちゃんと合った芝居をしていても、
何か違う雰囲気を出している事があります。

そういう人はその滲み出ている部分を
そのまま使ったハマり役を持っている事がすごく多い。
当たり障りのないセリフを喋っただけで
イメージが表れているというのは本当に凄い。

次は少しでも新しいキャラクターを入れられるようにしたい所です。