防衛庁関連のナレーションでした。
具体的には艦艇装備に関しての動画でして、
重厚感のある音楽を用いて、艦艇研究所を案内していきます。
原稿は前もって用意されていたので、チェックは済ませていましたが、当日変更有り。
また、映像は前もって渡されていません。
ここまでは、当たり前かなと・・。
さあ、クライアントさんもいる中で、いざ本番。
初めて見る映像に、その場でナレーションを当てていきます。
ブロックごとに収録をしていくのですが、
1ページ目を読み終わった際、途中に出てくる看板の文字、
また最後に出てきた映像の文字とのタイミングを合わせてほしいという指摘を頂きました。
その場で初めて見る映像に、文字を合わせるとなると、
原稿にタイムを書いて頂くか、キューランプで指示を出して頂けると思っていたのですが、
ここの現場はそうではなさそうです。
とりあえず、自分の体感で、タイムを感じて、スピードを変えて読むしかありません。
できれば、一度、映像を流して頂き、自分でポイントとなるところに
タイムを書きこむことを提案できればそうしたいのですが、
時間も限られているので、そうもいきません。
結局、リテイクを繰り返し、4回目でOKを頂きました。
3回リテイクすることで、3回映像を見られるので、それで合わせられたのです。
そして次のページも同様に、
文字とタイミングを合わせてほしいというディレクションが、何か所もありました。
私からすると、初めて見る映像なので、タイミングを予測するしかありません。
さすがに、予測しながらナレーションするのは、至難の業だと思ったので、
正直に、
「すみません。初めて見る映像なので、ポイントとなるところに
キューランプを頂けないでしょうか?」と提案しました。
しかし、「いや~そうなるとあまりにも数が多くなるから・・・」
とDから断られてしまいました・・。
心の中ではイライラしてしまいましたが、代表からはセッションで
「こっちがイライラしたら終わりだ。面白がれ!」と、教わったこともあり、
「面白がろう!」と決めました。
そして、意図的に間違えて映像を2回流してもらい、
「3回目でOK」を出そうと決めました。
かなりリスクはあると思いましたが、
映像文字のタイミングを予測しながらナレーションをするよりは良いと思いました。
最終的に、時間内に収録は終わりました。
クライアントさんも喜んでいました。
結局、終わりよければすべてよしだと思うのですが・・・。
なかなかの現場でした。
何が起きても起因に立つこと、
また、現場がどうしたら円滑に進むか判断することも
ナレーターのお仕事だと勉強になりました。