全世界公開の某映画吹替のお仕事!

今日は外画長尺です。

ステップランクが付いてからこの長尺という仕事は正直有難い。
ジュニアランクとはギャラが何倍も差が出るから。

作品内容としても全世界公開の大作で、
出演できる事自体も嬉しい。
一応ちょい役とは言え名前付きの役があります。
ガヤやシーンの後ろで喋っていてほぼ聞こえないものではないです。
カットされなければ、ですが。

最近の大作は本当にセキュリティが厳しい。

役者が吹き替え側の把握できる部分が年々少なくなっていき、
唯一内容を把握しているディレクターの言葉が頼りです。

ネットの影響で公開も全世界同時になり、
制作も同時進行になり公開までに何度も取り直しが行われます。

今日の現場もそのうちの一回です。

こういう状況だとディレクターとのコミュニケーションの大切さを本当に痛感します。
なにせ役者側には情報がセリフくらいしかありません。
シーンの状況がわからない。

なのでディレクターに聞くのですが、
普段の吹き替えの何十倍もこちらから質問する事になります。
そうやってシーンや役のイメージを作っていきました。

「このシーンは~で~という内容です。
映像は殆どないので音声を聞いてみてください。」

しかし

「…音もほとんど聞こえないみたいなんでタイムで喋って下さい」

ほとんどがこんな状況でした。
難しい。

説明されただけではピンとこない事もたくさんあり、
役者全員が「???」と思っている事だけハッキリわかりました。

自分は被害を伝える伝令段だったのですが、被害がどれくらいかよくわからない。
テストで負け決定で自分も脱出したいくらいでやってみた所

「そこまでではないです」

「まだ余裕はあるんですかね?」

「ピンチですがすぐ撤退するほどではないのでもう少し落ち着いて伝達して下さい」

という流れになりました。

これ、普段からもっと上手くやろうと思いました。
もちろんわかり切っている事をわざわざ質問するのではなく、
「多分こうだろう」
という部分をテストでやりつつディレクターとすり合わせていく方がいい芝居ができる。

当たり前と言えば当たり前ですが、
普段はなかなかやれずにいました。

収録は年々スピード重視になりつつあります。
余計な質問はリズムを崩してしまいます。
質の良い質問を的確にできるようにしようと思います。