某バラエティ番組の再現ドラマのお仕事に行ってきました。
この番組のお仕事は4回目、
今回呼んで下さった制作チームも
昨年の11月以来2回目のお仕事でした。
レギュラーとまでは行かないものの、
リピートで呼んで頂けるのは本当に有難く、また嬉しいものです。
前回のお仕事できちんと成果を残すことが出来たらからこそ、
再度呼んで頂けたのですから。
スタッフの何人かは前回と同じ顔ぶれでしたが、
ディレクターは今回初めてご一緒させて頂く方でした。
自分の撮影の番になって現場に入っていくと、
ちょっとした「壁」「硬さ」の様なものを感じました。
以前だったらそこで
「嫌われたらどうしよう」
「出来ない奴だと思われたらどうしよう」
とこちらも固くなってしまい、根拠のない自己否定や、
それを打ち消すように無理に明るく振る舞うというような事が起こっていました。
が今回はそこで自分の考えをパーンと切り替え、
「一緒に良いものを創る同士」として
スッと“そこに居る”ことを決めました。
そして、自分から起因でコミュニケーションをとっていきました。
舞台と違って映像だと「寄り」の画が出てきますが、
カメラからどう見えているのか、どこまで映っているのか、
見せたいものが見え、見せたくないものが見えないように出来ているのか・・・
つまり「見せたい画になっているのか」がより緻密になってきます。
その為の「段取り」も必要です。
過去の現場で、私はその「段取り」に気を取られ過ぎて固くなってしまう、
という失敗がありました。
やはり受け身だったのです。
その時の反省を活かし、今回は指示される前に自分から進んで
「これで画面に入っていますか」
「この角度で見えていますか」
「これだと不自然ではないですか」
「こっちの方が良いですかね…」
などとコミュニケーションを取っていき、
一旦段取りが決まったらあとは「気にしない!」
で楽に思い切り芝居に集中しました。
それで多少NGを出したところでそれは問題ではないのですよね。
「良いものを創る」の一点に絞れば良かったのです。
そうやって起因でコミュニケーションを取っているうちに
ディレクターも柔らかくなってきて、
私の発言に笑いが起こるようになってきました。
現場の空気も柔らかく温かくなっていきました。
自分から開いていくことなのだな、と改めて思わされました。
あるシーンで相手役に
私が「はい」とバナナを差し出す芝居があったのですが、
そこで私はAPHで学んでいるある技術を使いました。
すると・・・今までとは全く違う感覚で
空間の中にスッとバナナが入っていったのです。
そして相手役ともスッと繋がる感覚がありました。
これまでとは別の次元でした。
ほんの短い時間ではありましたが、それは起こりました。
技術そのものはこれから鍛えていかなければならない、
本当にまだまだ未熟なものなのですが、
それでも「こんな風に空間が変わるのだ」という事を
実感することが出来ました。
これを積んでいくことなのだなと。
今回の撮影は、これまでの失敗からの反省を活かして
一つの成功体験が出来たこと、
そして技術を使ってそれが上手くいくという実感を
積むことが出来ました。
まだまだ小さい現場ではありますが、
重ねていって成長していきたいと思います。