TVCMで某グループのスタンドインのお仕事

本日は某グループのTVCMのスタンドインに行ってきました!

「スタンドイン」とは、CMやテレビ番組等の撮影前に、
実際の照明や立ち位置、動き等をチェックする為に演者本人の代わりに芝居をする、
いわば「裏方のお仕事」です。

本番は本人が演じますのでオンエアでは映りませんが、
同じ立ち位置、照明の中で、同じシーンを演じ、
監督や演出家等がそれに対してディレクションを取っていくので、
現場の雰囲気や撮影時の感覚を掴むにはとても良い経験になります。

今回自分はTVCMの現場と、スタンドインのお仕事が初めてだったので、
とても色々な事を学ぶ事ができました。

因みに今回の撮影は、リハーサル1日、本番1日の計2日間のスケジュールで、
自分たちはスタッフと共に同行することになりました。

初日、都内にあるハウススタジオに到着すると、
大手航空機会社×某人気グループのTVCMというだけあり、
50人近い制作スタッフが動き回っていて、大人数な現場でした。

「トップクラスのTVCMの現場はこんな感じなんだなぁ」と思いながら、
スタッフさん達に挨拶をして現場に入っていくと、控室に案内されました。
 
スタンドインメンバーが全員揃うと、衣装を渡され、着替えます。
 
後はシーンの準備ができるまで待ちです。
スタンドインは「待つのが仕事」と言っても過言ではありません。
とにかく待ち時間が長いです。

しかしその間現場では、休む間もなく撮影スタッフさん達が、
照明やカメラの配置、角度を試し、撮影準備を進めており
「この人達のお陰で、あらゆる番組、作品が成り立っているんだな…ホントに凄いなぁ。」
と間近で見ていたら、感謝の念が湧いてきました。

そして、大方準備が終わると自分達が呼ばれ、
最終調整が入り、絵コンテにある芝居をし、監督からディレクションを受けます。

OKがでれば、そのシーンの準備は完了したという事です。

スタンドインのお仕事で大事な事は、
とにかくその場の状況をスッと観察し、パパパッと動ける事だと思います。

先に先に動けない人、鈍い人がいると、
当たり前ですが現場はイライラし始めます。

実はメンバーの中に鈍い人が1人いたのですが、
現場の回転力に追いつけず「●●君はまだー!?」
と監督から何度も怒鳴られていました…。

また、スタンドインの仕事をよくやっている人がいたのですが、
その人は慣れが悪い方に出て、後半になるとダレてしまい、
やはり制作さんにイラッとされていました。

ですから、大事な事は長い待ち時間でもいつでもパパッと動けるよう、
常に心のアイドリングをしていながら、
自分なりに工夫して高いトーンをキープする、
という事が重要なのではないかと思いました。

そんなこんなで、各カットのリハが終わり、長い一日が終わりました…。

そして翌日、現場に到着すると、
昨日までのまったりした雰囲気とは打って変わって、
現場には独特な緊張感が張りつめていました。

お昼過ぎに集合し、自分達で最終リハを15時頃までやり、
16時過ぎに本人達が来ました。

「①シーンの準備→②スタンドインが入り最終調整→③本人演じる→④次のシーンの準備」

という流れで、独特の緊張感と共に、テンポ早く撮影は進んでいきました。

その中でも特に驚いたのは、本人達は3テイク位でOKが出るという事でした!

「えっ?それでOKなの??」と、色々な意味でビックリしました(笑)

待ってる時に仲良くなった制作さんに聞いてみたところ
「本当は何テイクもやりたいんだけど●●さんの場合は
『そんな時間はありません!』と言われちゃってダメなんだよねぇ…。」
と仰っていました。

監督も心の中で泣きながら「もぉOKで~す!」
と時間に押されながらカットをかけたりしていて、
監督も制作さんも葛藤しながら撮影をしてる事がわかりました…。

そんなこんなで無事に本番を終える事ができました!

カメラや現場の雰囲気を色々と観察する事ができたのは凄く良かったけど、
やはり「代役」という所が役者としては正直悔しいので、
この経験と悔しさを活かして、次はメインでCMのお仕事ができるように、
しっかりとイメージングと稽古を深めていきたいと思いました!