企業VPナレーションのお仕事!今の時代のある現場

とても雰囲気の好きなブランドを扱っている
企業のブランディングムービーのナレーションをさせていただきました!

私も好きだなと思えるところとご縁を頂けることが本当に有難いです。
またやはり私のナレーションで求められている所は、
こっちなんだと再確認できました。

そして今回の収録は、新しい時代の形をとても感じる現場でした。

今までの収録の進行の当たり前というものはなくて、
D2C時代の今、こういう現場がとても増えていっているのだと感じます。
自分が、自分の○○○でリードをしていくことが必要になっているのです。
明確にそれをできる様に、今取り組んでいることを、
もっと明確に深めていきたいと思いました。

こういう現場で、しっかりと対応することで、
次の時代に生き残っていけるラインに乗っていきたいです。

子供向け動画ナレーションのお仕事!

本日は、盲導犬に関する内容を子供たちに伝える動画ナレーション収録に行って参りました。

10分の動画が3本、お姉さんと小学生の可愛らしいキャラクター
二人で掛け合いをしながら進んでいきます。

今回、オーディションだったのですが、私は小学生役の候補に上がり、
ボイスサンプルと見積りの提出を求められました。

この台詞を読んでほしいと渡された原稿があったのですが、
かつて舞台で子供役を長いこと務めていたこともあり、
体に響かせて、ノリノリで台詞に想いを乗せていったところ、
おかげさまで決まりました。


またギャラに関しても、今は自分で見積りを出すことが主流になりつつあります。

おかげさまで、代表から金額を決める際に、
どういう考え方をしたらよいのかを伺っていたので、
自分の価値を下げることなく提示することができました。
本当にありがとうございます。

当日は、お姉さん役の方と一緒にブースに入り、
二人で掛け合いをしながらの収録で、とても珍しい光景でした。

たしかに短時間での収録なので、この方が効率が良いのかもしれません。

私が声を務めさせていただくキャラクターは
性別を決めたくないということだったので、
子供っぽく・・中性的な感じで・・
という不思議な感じではありましたが、
良い緊張感を持って楽しんで収録することができました。

最近はキャラクターナレーションが増えているので、
自分の得意分野をどんどん増やしていきたいなと思います!

CMナレーションのお仕事!絵本の読み聞かせで雰囲気をつくる

おかげさまで、「絵本関連」のCMナレーションが決まりました。

こちらは、某施設に親子で遊べる広場がありまして・・

その広場にぜひ遊びに来てねという内容のものでした。

尺が3分程度なので、おそらく、その施設のサイネージでも流すのではないかと思われます。

その広場で何ができるのかという紹介はもちろんなのですが、

原稿の半分以上が「絵本の読み聞かせ」になっていました。

絵本の読み聞かせは、昔から特にやりたい分野だったので、ご指名を頂き、とても嬉しく思いました。

ただ、今回はCMの中での絵本の読み聞かせなので、

ゆったり子供に聞かせる・・というよりは、少しテンポは速めでどんどんページをめくっていくような感覚でした。

その中でも、私の得意な響きの音を使い、ゆったり聞こえるように工夫しました。

最初のテストでOKを頂けましたので、1ページごとに収録していったのですが、この上なく幸せな時間でした。

色えんぴつの優しい色合い、前日に見た名作劇場のアニメ、

その雰囲気を少しでも滲ませることができたら良いなと思いながら、◎◎に気を付けました。

登場人物の男の子は、名作劇場で登場したあの男の子を真似しました。

結果、とっても楽しみながら収録をすることができました。

自分の好きな絵本関連のナレーションに関わることができて、感謝の気持ちでいっぱいです。

とても心あたたまる1日でした。

「プロになるまでの全て!」Tさん編22

路頭に迷っている私を何とか事務所に繋げようと、
周りの方が助けてくださった。 
もう忘れてしまうくらい沢山の機会を頂いた。
あのエキセントリックな劇団から、
中堅の声優事務所、
そして、Yさんが所属されている大手事務所まで。
とにかくコネで、面接まで辿り着くことができた。
この時にプロフィール作成やお土産選び、便箋の用意、電話対応から
紹介して下さった方へのお礼、報告連絡相談など、
沢山の流れを叱られながら身に付けさせて頂いた。
チャンスはスピードとタイミングだ。

しかし、ことごとく、断られる。
もう断られるのに慣れてしまった。
どうせ、ここも落ちるんじゃないか。
やっぱりな。
また落ちた。
またか・・
もはや落ちることが当たり前になり、
最初はがっかりしていたのが、今や平気になってしまった。

こんな状態で、ある声優事務所を見つけた。
社長がちょんまげをしている変わった場所。

レッスン生として中に入れば、
オーディションのチャンスはあるそうだ。
レッスン料も安かったので、
若い子に混ざって、一緒にレッスンを受けることにした。
実際にゲームのキャスティングをしている男性Dさんがいたので、
とにかく抜きん出て結果を残そうと頑張った。
でも、ゲームって・・・
全然ゲームをやらない私。
ゲームのキャラボイスと言われてもなかなかピンとこない。
何でも良いから、仕事せねば!
自分とはかけ離れたものでも、とにかく何でもいい!
そんな気持ちだった。

もうすでに私の持つエネルギーが落ちていた。
闇を抱えて負のオーラを背負っている感じ。
こんな状態では、良い事務所、良い人とは出会えない。
心の中で、負けない!こっから!って思っていても、目に見えない部分が悲鳴を上げている。
もうダメかもしれないっていうほんの少しの迷いが滲み出て隠せない。
どうしたら良いんだ。
私の本心がわからない。
何で声優になりたいんだっけ?
自分の軸がわからないまま、当てもなく彷徨う。
とにかく事務所、事務所に入らねば。
焦る自分。
でも何とかなるって思ってる私。
この狭間で、闘いが続く。

結局、そのちょんまげ社長の声優事務所には行かなくなり、辞めてしまった。

どこにも全然受からない。
ご縁がない。
全部、自分のせい。

そんな私が諦めないでいられたのは、代表の個人レッスンのおかげだった。

この不遇時代、
私が何をしていたかというと、週に一回、
個人レッスンを受けて、呼吸の稽古をしていた。
そして、その日録音させて頂いたレッスン内容を家に帰って書き出していた。
この時の書き出しの力は大きい。
秘伝が沢山書かれているこのノートは、一生もの。
ダメな私を救ってくれる宝物。
どん底の私は個人レッスンで実力をつけるしかなかった。
毎週本質に触れられるように導いて頂き、自分の可能性がどんどん見える。
まだ私、やれる。
虎視眈々とチャンスを待ち続けていた。

だが、待ちぼうけている。
ずっと続けているコールセンターのバイトのおかげで、
なぜか電話営業がとても上手くなった。
営業成績が300人中いつも10位以内。

自慢だよ。
すごく虚しい自慢。

「プロになるまでの全て!」Tさん編 記事一覧

韓国ドラマ予告特番ナレーションのお仕事!

今日は、番組ナレーションの収録に行って参りました。

某韓国ドラマの予告特番で45分の番組です。

男性ナビゲーターの方がドラマの魅力を語ったり、ロケ地に行ったり、
出演者と対談したりする中で、私はナレーターとして詳細を説明したり、
ナビゲーターの方にナレーターとしてツッコミを入れたりできる立場でした。

台本も、いつも以上に語りかける言葉が多かったり、語尾に♪マークがついていたりと、
とても気分の上がる内容でした。

早速、テストで冒頭を読み上げると、ディレクターから、
「今のとても良かったので、もらっちゃいますね!」
「ただ、最初の3行だけレベル取れてなかったので、そこだけもう一度お願いします」
と言われ、
やった!掴みはOKだ!と心の中で思いました。

APHで「戦略的に」という言葉を何度も伺っているので、
途中、「おいしそう!」という言葉が出てきた際に、
私がやる理由を置いてこよう!と狙って、

わざと崩して世話落ちで挑戦したのですが、
「今のもう一度お願いします」と言われてしまい・・
これはやりすぎだったようで、基本ラインに戻しました。

ディレクターの好み、もしくはクライアント様の好みかもしれませんが、
あまり崩しすぎるのはダメなんだな・・と傾向を掴むことができたので、
好まれるラインの中で、どんどん遊びたいなと改めて思いました。

全体的にはおかげさまで楽しく収録させて頂くことができました。

ただ甘噛みしてしまった時、やり直したい!と思っても
「はい!OKです!」とそれが使われてしまう結果となり、悔しい部分もありました。

時間が限られているため細かいやり直しはできない。

そのことを肝に銘じて1回1回集中することが大事だな・・と痛感しました。

これからどんどん番組ナレーションを担当するので、もっと自由になるために、
APHで正しい技術を身につけて参ります!

「プロになるまでの全て!」Yさん編24

事務所に入って仕事をし始めたとは言え、
サラリーマンとして家族を養えるだけ稼いでいた父から見れば、
遊びでやってるか小さな仕事を餌に事務所に金を取られている
被害者に見えただろうと思います。

状況だけ見ればその通りです。
「諦めろ」
にはハッキリと「イヤだ‼︎」と言えましたが、
現状については何も言えませんでした。
とにかく
「これからだ‼︎」
と努めて明るく強く言っていました。
話が終わった後はとても落ち込みましたが。

この頃、B社長は仕事を広げようと
ディレクターを呼んで社内でレッスンをしてもらおうと動き出していました。
単独では難しかったらしく
他事務所と合同でディレクターレッスンが開かれる事になりました。

3社合同のため参加希望の人数が多く、
各事務所から選抜しての参加になりました。
ボイスオーバーで評価が上がっていたおかげで
そのレッスンになんとか参加する事ができました。
これは大きなチャンスです。

来てくれるディレクターは
地上波ゴールデンの吹き替え演出を担当するバリバリの現役です。
その方もレッスンをする事自体が初めてという事で
教えるのに慣れて流れ仕事になるという可能性も低い。
これにはテンションが上がりました。

3事務所合同でのディレクターの当日がやってきました。
各事務所のパワーバランスでしょうか。
ウチが6人、他社が10人、20人、といった所でした。
事務所としても圧倒的に勢力が弱い。

ディレクターさんも全員を見られるように配慮してくれてはいましたが、
配役は基本挙手制でした。
下手をすれば何もできずに終わります。
参加者はみんな必死でした。

そんな中、すでにこのディレクターと仕事をしている先輩のSさんとKさんは、
自身のアピールをしつつも後輩である自分達に上手くチャンスを作ってくれました。
有難うございます。

教えるという事自体が初めてだったディレクターさんは、
同じ1シーンを演じさせ最後に各役を演じた人達の中で
誰が一番良かったかを参加者にも聞いていました。
各役ごとに良かった人に挙手するのです。
その場での自分の評価が明確に出るのでかなり怖いやり方でした。

ようやく自分の番が回ってきました。

この時、同じ役を演じた人はみんな同じ方向性で演じていました。
それを聞きながら自分は
「自分なら全く違う演じ方をする」
とずっと思って見ていました。

そしてそれを演じました。
最後の評価の時、
自分の芝居を良いと挙手した参加者はいませんでした。
事務所の先輩であるSさん、Kさんですら。

これは失敗だったかと思ったその時、
「え?そうですか?私は彼が良かったと思ったんですが…」
とディレクターさんがたった一人、
自分の芝居を評価してくれたのです。

これには驚きました。

そしてとても嬉しかった。
他の人が堂々とした口調で演じていた役を
自分は情けなく頼りなく演じました。
これは自分がこういう芝居が面白くて好きだったというのもあったのですが、
そもそも内容が自分を偽って結婚しようとして嘘がバレて
相手の女性に罵倒されて謝るという物でした。
その時の自分は
「なんでみんなカッコよく堂々と演じるんだ?情けない方が絶対に笑えて面白い」
と思って演じたのです。

元の役者が本当に自分が思ったように演じていたかは今では思い出せませんが、
ただ一人違う演じ方をした自分をディレクターさんが面白いと言ってくれた。

これは本当に嬉しかった。

講師のDさんからは
「常に一つは企みを持って現場に行け」
代表からは
「最低でも三種類の違うパターンを用意しておけ」
と言われていました。
このディレクターレッスンでは他の人が誰もが考える芝居をした中で、
自分一人が全く違う解釈の芝居ができたのは
この二つの言葉を覚えていたからだったと思います。

お世話になっている方々の力を借りて結果を出し、
後日自分はこのディレクターさんから
吹き替えの仕事をもらう事ができたのです。

「プロになるまでの全て!」Yさん編 記事一覧

企業VPナレーションのお仕事!憧れだったもの

今回は私が子どものころから憧れていた画材の
ブランディングムービーでした。
今でも個人的にイラストを描くときに使わせていただいているので、
今回のお仕事をいただけて、とても嬉しかったです。
スタジオもとても素敵な場所でした。

最初のブロックを試し読みしました。
まずは自分の武器として使いたいところでやっていきました。
その後別パターンでも読みましたが、
最初の方を採用いただきました。

何度か修正するところもありましたが、
このお仕事をいただいてから、代表にもみていただいたところで、
基本的にそのまま収録を進めていくことができました。

ただ以前からの収録でも感じているところなのですが、
そこまで無理をしていないつもりなのに、
音に無理をしていることがそのまま入ってしまいます。
自分のキャパの狭さを感じます。
楽に聞こえる音の幅を広げていきたいなと思いました。

収録は前半に、後半は編集という感じで進んでいきました。
その場で完パケのところまで持っていくという事が増えているそうです。
その場で編集されていくのをモニターで聞いていたのですが、
そこも勉強になりました。

まずは今見えている課題を超えていきたいです。

企業VPナレーションのお仕事!その場での対応

今回は初めての流れから、スタジオ派遣のお仕事をいただきました。
これまでは宅録でお仕事させていただいていたので、
どんな感じで進められるのか楽しみ半分、不安半分でスタジオに向かいました。

今回は大手通信キャリアのリサイクルについてのナレーションです。

その場で原稿がいくつか変わりました。
1文、自分にとってはなかなか言いにくい言葉が出てきました。
何度か録り直しとなったのですが、
自分でも力んでいるのがよくわかります。
改めて呼吸を入れ直して、自分ができる範囲ですが、
教えて頂いていることを意識して、
楽な状態を意識して録りました。

ブースの向こうで「めっちゃきれいじゃん」という言葉が聞こえて、
ホッとしました。

ただ時間いっぱいを使っての収録となってしまったので、
まだまだ未熟さを感じます。

どんな事があっても、ピタッと決められるようになりたいです。

収録後、外に出ると、クライアント様もいらっしゃっておりました。
クライアント様が私の声を気に入ってくださって起用いただけたようでした。

自分の声を求めていただけていることを、
直接お伝えいただけたことに嬉しさも覚えつつ、
まだまだ技術面で劣る自分に悔しい思いも抱きました。

良いお仕事ができたと思える様に、
自分の武器のレベルを上げていきたいです。

「プロになるまでの全て!」Yさん編23

Sさんと仲良くなってしばらくしてから、
ボイスオーバーの仕事が自分に来ました。
今回は自分が使えるのかお試しという事でギャラはなしで、という物です。

ギャラなしには正直腹は立ちましたが、
この時の自分にはハッキリと強い自信がありました。
APHでやって来た事を考えれば、
実際の芝居を聞いてもらえば必ず結果はついてくると。
大きなチャンスでした。

そして当日。

自分の役はメインの登場人物のうちの一人。
しかも番組は自分の役のインタビューで終わります。
締めを担う良い役でした。

楽しかった。

今まで現場でこうしたいと思ってAPHで、
事務所レッスンでやって来た事をようやく現場で使う事ができた。
ギャラはなくても最高の時間でした。

終わってすぐ、共演した正所属のKさんが
「最後のインタビューの所良かった」
と面と向かって言ってくれました。

同じく共演したSさんも
「彼は良い芝居するんですよ」
と相槌を打ってくれました。

すぐ横には社長がいます。
最高の援護射撃があったおかげで次の回から
キチンとギャラをもらってこのボイスオーバーシリーズに参加する事になりました。

このKさんとも今も仲良くさせて頂いています。
Sさん、Kさん本当に有難うございます。

後日、社長から聞いたのですが
「講師のDさんと正所属のS君から
ずっと君が良い芝居をすると言われていたから試しにボイスオーバーに入れてみた」
と言われました。

そこで
「世間は良い物をけっして放ってはおけない」
という代表の言葉の意味が少しわかった気がしました。

自分がやって来た事を認められて仕事がもらえる。
ようやく新事務所でプロの声優としての仕事を始める事ができました。

B社長は芝居に関しては、
自分がAPHでやって来た事を見せてもいまいちピンと来ないようでした。

自分には流行りのアニメですぐに主役を張るような華やかな所は無いようです。
個人的な好みとしてもいわゆる流行りのアニメ芝居というのは聞く分には良いのですが、
自分ややるとなると好きではない。

B社長はそういう分かりやすい部分にしか反応しませんでした。

そのため講師のDさんや正所属のSさんに
「アイツは良い」
と言われてようやく自分を試しに使ってみるか、という程度でした。

しかしお二人の後押しのおかげでその評価も変わって来ました。
「新人の中ではアイツは使える方らしい」
と。

これでようやく数ヶ月に4、5本ボイスオーバーがあるかないかと言った位でしたが。
これ4、5本ですが1日で収録してギャラはまとめて1本扱いです。
小さい事務所はこんなもんです。

そして相変わらず事務所レッスンは続きます。
たまに仕事はもらえますがレッスン代で大きなマイナス、赤字です。
金を払って仕事をもらってるような状況ではプロと胸を張っていえません。
養成所資金で助けてくれた父も
「そんな事では食えない、いい加減諦めろ」
と言ってきました。

「プロになるまでの全て!」Yさん編 記事一覧

「プロになるまでの全て!」Tさん編21

さて、事務所を辞めてしまった。
また路頭に迷うことになった。
せっかく周りのお力を借りて中堅の声優事務所に所属したのに、またダメだった。
私は、型にはまれない性格なのだとつくづく思う。

現場に出させてもらえない状態が耐えられない。
ずっとレッスンばかり。
なぜかお金を払って事務所に所属している。

ごく一部の売れている声優さんは運が良い。
キャラクター、人に出会って、共に名が売れる。
でもきっと多くの声優タマゴはめぐり逢えない。
だから、
事務所で仕事を待つ。
実力をつけながら腐らずに待つ。
いつか自分に合う仕事が来ると信じて待つ。
今できる事を精一杯やる。
営業してもらえるように事務所に顔を出す。
そして、名前を覚えてもらって沢山のオーディションに参加する。
きっとやるべきだし、皆そうしてる。
なのに!私は・・・・

声優として食べていけるのは、
事務所に所属してオーディションに受かる、もしくはご指名を頂き、役と巡り合う、監督と巡り合う、
そして結果を出してリピートに繋げる力・実力を持っている人。
特別じゃない人は、
このラインに乗るのに必死なのだ。
逆に言えば、このラインに乗らなければ、声優にはなれない。
だから皆、まずは事務所に所属する。

私はもちろん選ばれた人ではない。
ただ声優に憧れている人だ。
だからこのラインに乗らなくちゃいけないのに、自ら降りてしまった。
普通ならきっとこの辺りで見切りを付けるんだと思う。

でも私は諦められない。
きっと何とかなる。
結構、前向きだった。
それは現実を受け入れたら苦しいからかもしれない。
自分の置かれている立場を冷静に俯瞰したら、
怖くなってしまうからかもしれない。
そんな言葉で振り返ることもできるけど、ただ単に諦められないだけ。
まだできる。
本心だ。

でも、どうしたら良いかわからない。
私よりも代表の方が頭を抱えている。
その姿を見てようやく、
あ、私って先がもうないんだな。と寂しくなった。

もうなす術がない。
また事務所に入るところからやり直し。
どう見ても痛い人。
どうしたらいいか代表もわからない。

辞める時に言われた社長の言葉が頭の中で響く。
あんたなんかどこへ行っても成功しない。

その通りかもしれない。
誰がどう見てもそうなのだから。

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